レコードと祭壇

母の葬儀でお世話になりました。母子家庭で父はおらず、当時私はまだ24歳、妹が22歳というなかでの出来事でした。
幸いにも私たち姉妹ともすでに働いていましたので、女手ひとつで育ててくれた母に、これまでの感謝の想いを込めて、そして何より「私たちは大丈夫だよ!安心して」と伝えられるような葬儀にしたいと考えました。
最初は家のすぐそばに別の葬儀場があったので、そこで執り行おうと思っていましたが、以前親戚の葬儀をそこで行った際に、すごくそっけない対応をされたと母が漏らしていたことと、母がライフランド互助会に加入していたのを思い出し、お願いさせていただきました。
きっと母が選んだのだからよい葬儀社なのだろうと思っていましたが、想像以上でした。
打ち合わせで生前好きだったものを聞かれ、こだわりの強かった母でしたので、真っ先に浮かんだのがレコードと好きだった人気キャラクターでした。
「当日はそのレコードをかけて、祭壇にお母様の好きだったものを飾りませんか?」と提案いただき、せっかくなら祭壇もそのように作って欲しいとお願いしました。
当日式場に入ると、真っ先にレコードの音楽が聞こえてきました。祭壇も細部まで人気キャラクターにこだわって作られていて感動しました。
それまでは、姉妹二人で必死に明るく振舞っていたこともあり、母の生前を思い出して二人で思わず大泣きしてしまいました。
安心させてあげたいという思いばかりが先走っていましたが、最後に母の前で泣けたことにすごく感謝しています。

担当者より

ご葬儀当日、来館されて祭壇を目にした時、姉妹そろって涙されていたのが、私が見た初めてのお二人の涙でした。
お母様は50代で急に病気でお亡くなりになられたとのことで「泣かないで明るく送って」と言われていたらしく、お二人とも悲しみをこらえて明るく振舞っていたとのことでした。
そんなお二人の気持ちに少しでも寄り添えればと思い、心を込めてお手伝いさせていただきました。